Memorial GALLERY


 2018.06.27

1998.06.27 出雲市駅 OLYMPUS OM−1 ZUIKO50oF1.4 KR

一口に「原色キハ52」といっても、世代によって思い浮かべる車両は様々である。 平成生まれの若者たちは迷うことなくいすみ鉄道のキハ52 125を挙げるだろうし、 10年選手の鉄ちゃんならば大糸で人気を博したキハ52 115、もしくは盛岡や新津で注目を集めたリバイバルカラーの車両たちを思い起こすだろう。 だが、昭和生まれ の我々が学生だった頃の「原色ゴーニー」といえば、復活塗装の流行る前、本当にオリジナルの国鉄ツートンカラーを堅持していた後藤のキハ52 128のことを指して いた。

当時の山陰エリアでは、国鉄色のキハ58・28こそ当たり前に行き交っていたものの、虎の子のツートン52となると会えるかどうかは運次第。アウェイの人間が遭遇す るには相当な“引き”が必要だった。

大学1年、二十歳の頃。本格的な全国区鉄活動を始めて間もない若者は怖いもの知らずだった。梅雨も真っただ中の悪天候の中、廃止間際の浜田「出雲」を求めて山 陰合宿。 来る日も来る日も雨に降り込められ、プロビア(+1)でも稼げぬ露出に涙しながら駅マルヨの夜を重ねた。そんなある晩、「だいせん」をバルブしようと出 雲市駅へ。DD牽引の夜行急行の入線を待つ間、機材をもってホームをウロウロしていると益田方面からの普通列車がやって来た。ただのゴッパか…と見送ると、何 と2両目に幻のキハ52 128!フィルムを保存性に優れたコダクロームに詰め替え、しっとり雨に濡れた姿をじっくりと撮影した。



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