Memorial GALLERY
2018.03.24
2002.03.24 月崎駅 MamiyaM645SUPER SEKOR A150oF2.8 RVP(+1)
今から16年前、2002年の春も今年のように桜の開花が早かった。3月16日には東京で開花宣言が出され、それから1週間程で桜前線は房総の山間部へ。 就職1年目、正確に言うと正規雇用前の実質的研修期間の若者に花の便りを追っての遠征などできようはずもなく、ならばと実家から近い小湊鐡道に 春らしい光景が訪れるのを迎え撃ちに出掛けた。
大学4年間を京都で過ごしたため、関東復帰からまだ1ヵ月半。自宅近くの魅惑の路線、小湊鐡道にはまだ数える程しか行ったことがなかった。ETC もまだ普及していなかった当時、片道80q程度の道のりはオール下道経由。昼過ぎに現地入りし、各所で桜の咲き具合をチェック。里見駅周辺で午後の 列車を撮影し、夕方になって月崎駅に移動した。
花の季節に月崎駅を訪れたのはこの時が初めてだったと思う。斜光線に光る線路と、背後の暗く沈んだ森に浮かび上がる透過光で輝いた桜の花弁。手前 には黄色の菜の花が彩を添える。何と絵になる駅なのだろう。 ハスキーをローアングルにセットし、マミヤの150oで構図はピタリ。間もなく下り列車 が滑り込んできた。乗り降りする客はいない。ただカランカラン…という単調なエンジンの音だけが響く。時が止まったかのような非日常の空間を1カ ットのシャッターで切り取った。
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