Memorial GALLERY


 2018.02.28

1997.02.28 細岡−釧路湿原 OLYMPUSOM−1 ZUIKO100oF2.8 RVP(+1)

もうあれから20年以上の時が流れた。釧路湿原を走っていたDE10重連の貨物列車の再末期。受験を終え、札幌から夜行「オホーツク9号」に揺られて釧網本線に入った。 初日は川湯温泉の硫黄山バックで貨物を撮り、夜行「おおぞら」の新得返しで2に日目を迎える。釧路で始発のキハに乗り換え細岡着。氷点下20度近くまで冷え込んだ中、 徒歩でお立ち台に向かった。

丘の麓に住所不定のオヤジの住む小屋があり、そこの番犬がアングルに向かう鉄を見ては狂ったように吠え回る…そんな噂から、このアングルは一部で“オヤジの山”と呼 びならわされている。前日サルボ展望台でご一緒したベテラン鉄ちゃんからそんなお話を伺っていたので、ビクビクしながら立ち位置へ。 今となっては記憶は定かではない が、確か登り口で噂通りのワン公に雄叫びを上げられた気がしないでもない。それでも無事に丘の上に辿り着き三脚をセット。凍てつく冷気で空気中の水蒸気が木々の枝に 凍り付き、湿原は一面ガラス細工に覆われたようになっていた。

それほど待たずに踏切が鳴る。遠方からエンジン音と独特のジョイント音。本日の主役の登場である。広大な大地に軽やかなリズムを刻みながらDE重連が駆けてゆく。大 人の視点からすると、なぜもう少し画角を下に振ってもう1スパン手前に引いて切らなかったのか!18歳の自分に問い詰めたいところだが、純粋無垢な少年はそれでも確か な手応えに痺れを感じ、鉄という行為に中毒的快感を覚えたのであった。



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