Memorial GALLERY
2018.01.08
2012.01.08 筬島−音威子府
PENTAX67 smcPENTAX300oF4ED RVP50(+1)
宗谷ラッセルに通う猛者たちの間で最難関のポイントとされていたのが、 蛇行する天塩川に沿って大きくS字を描く線路を対岸の山の高圧鉄塔から見下ろす、通称 “筬島鉄塔俯瞰”である。パウダースノーに覆われた道なき斜面を人力ラッセルで切り拓きながら1時間以上も直登し続けなければならないハードコース。雪崩など のリスクを冒して単独で行くのは難しかった。 こうしたアプローチのハードルに加えて、天塩中川−音威子府間の川沿い区間はいつも天候が不安定。特に雪362レ が通過する12時前後は、直前まで晴れていても天候急変で視界が利かなくなることもよくあった。さらに、落ち着いた空模様の日は、大抵DEがウィングを閉じて 作業をせずに通過してしまう。幾度チャレンジしても全ての条件が揃わず、我々の間では筬島鉄塔には魔物が棲むと言われていた。
年末の最果てツアーから1週間余り、宗谷に狂っていた当時の我々は、成人の日連休で再び筬島のリングに登っていた。今日は珍しく安定した青空の下、クリスマス ツリーまで文句なしのコンディション。交替で雪を掻き分けながら、1時間余りでこの立ち位置に辿り着いた。あまりの絶景にペンタ2台体制を敷く。1台は165o ヨコ、もう1台は300oのタテ構図。よしよし、あとは12時の通過を待つばかり。が…筬島鉄塔の魔物オサシマンは今日も黙ってはいなかった。カマがアングルに入っ て来るや否や、小さな千切れ雲が太陽の周りを舞う。奥を抜くペンタ300は辛うじてセーフ、しかし、本命の165oヨコ構図は肝心の切り位置が陰る最悪のマンダ〜ラ。 一同放心状態で眼下を行く赤い守護神を見送ったのだった。
これまであまり公表されてこなかった筬島俯瞰。今月のRM誌についにバリ晴れのカットが掲載されてしまったため、これをもって解禁ということで当サイトにも掲載 することにした次第である。しかし、魔物が住むこのポイント、我々は一体いつ単位をいただくことができるのだろうか?
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