Memorial GALLERY


     2017.08.05

2012.08.05 平原−御代田
 NikonF5 AF-INikkor500oF4ED RVP100

115系の復刻塗装で昨今話題になっているしなの鉄道。湘南色・スカ色に加えて白地に緑帯の初代信州色をもってくるあたり、なかなかシブいセン スをお持ちと見た。15年ほど前からのリバイバルブームで夢を見てしまってからはすっかり国鉄色至上主義を標榜するようになってしまっていたが、 それまではご当地カラーの中にも幾つかお気に入りを見つけてはいた。白と水色の四国色や九州ローカルの“小田急色”などは、風景映えもするし 好きなデザインだった。信州色も然り。初めて18きっぷで乗り鉄に訪れた中学時代、青い空、緑の山々の下を駆けていたのは、この“江ノ電もどき” の115系や169系だったのである。

さて、そんな鉄心をくすぐる仕掛けをしてくるしな鉄で、ちょっと前まで我々を惹きつけていたのが湘南色の169系だった。直流急行型電車なるジャ ンルがJRの線路上から消えて久しい中、3セク化されたとはいえ浅間山麓の旧信越本線で、かつての名列車を髣髴とさせる雄姿を拝めたのは本当に ありがたかった。何しろ165系列が最後に輝いていた急行「東海」や「赤倉」の末期、高校生だった私には遠征できる金も時間も、そして魅力ある被 写体を美しく切り取る技術もなかった。だからこそ、大人になってプロ機も超望遠も手に入れた今、オレンジと緑の急行型電車は一層輝いて見えたの だった。

この日は急行「信州」がリバイバル。急行幕に台形マークの割にわずか3連というのは寂しいけれど、贅沢は言うまい。ただ、真夏のトップライトの 下で東に向かう往路はどうにも撮影地の選定に迷う。とりあえず平原のオーバークロスに立ち寄るも、定番の立ち位置は木の成長で消滅していた。な らばこれでどうだ!?線路の真上辺りから長玉で撃ち下ろす。タイガーロープも目立たない。よし、決まり!間もなく、高原の風に乗ってモーターの 音が響いてきた。



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