Memorial GALLERY


 2017.03.17

1998.03.15 新津機関区 OLYMPUS OM-1 ZUIKO100oF2.8 RDPU(+1)

約20年前の3月、碓氷峠のラストや山田・釜石線の御召などを指を咥えて眺めつつ1年間のの浪人生活を終え、どうにか進学先を確保したした私 は、18きっぷを片手に「ムーンライトえちご」に乗り込んだ。向かった先は磐越西線。非電化区間の新津−津川で運行されるD51 498の「SLえち ご阿賀野号」がターゲットである。前年もC58 363で運行されたこの列車は、同じ磐西でも2月の「会津・磐梯路号」と違って非電化区間を走行 するのが魅力だった。今でこそ「ばんえつ物語」が設定されているが、当時は阿賀野川沿いにSLが走ること自体が大ネタだったのである。

しかし、春まだ浅く冬型が残る新潟がそんなに晴れるわけはない。この日も時折小雨がぱらつくぐずついた天気の中、苦戦しながらプロビア増感 でシャッターを切った。当然大した手応えはない。こうなったらクラまでデゴイチを追い掛けよう。現地で拾ってくれたレンタカー鉄ちゃんに連 れられて、夕暮れ時の新津の機関庫にやって来た。

あの頃は現場も寛容で、断れば庫内のバルブもあっさり認めてもらえた。1日の運行を終えてランドハウスに佇むデゴイチ。昼間見せる迫力に満 ちた“動”のシーンとは対照的な“静”の姿を、ブルーモーメントの中切り取った。最近は蒸機といえばすぐに海外に目がいくが、非電化区間の マークなし運転なら日本のカマもまだまだ捨てたものではない。久しぶりに昔のカットを見返してそう思った。

※本来なら3月15日にアップすべきでしたが、諸々の事情により2日遅れとなりました(汗)。



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