Memorial GALLERY


 2016.11.09

2013.11.09 川原湯温泉−長野原草津口 PENTAX67TTL smcPENTAX300oF4ED RVP100

10月の北海道に端を発した紅葉前線は、11月も半ばが近づく頃には北関東の山間部にまで降りてくる。数年前まで注目していたのは湘南色の115系が走る吾妻線だった。 日本一短いトンネル樽沢トンネルで知られる同線のハイライト川原湯温泉の前後には、八ッ場ダム建設に伴って造られた新道路から錦の渓谷に沿って列車が走るシーン を眺められる絶好のビューポイントが点在していた。

その代表格が、道の駅のすぐ側に架かる不動大橋からの俯瞰アングル。 広角で直下のインカーブを切り取ってもよし、長めのタマでトンネルとトンネルの間の短いコ ンクリアーチ橋を狙ってもよし、時間帯と光線、それに気分に合わせてどうにでもまとめられるマルチなポイントであった。今日は朝からこの付近で構図を変えつつあ れこれ撮ってきた。次の列車はペンタ300・400の2台でコンクリアーチ橋を中心にフレームしてみよう。間もなく山間にモーター音が響くと、トンネルからオレンジ と緑の見慣れた顔が姿を現した。

あれから僅か3年、八ッ場ダム自体は完成が延期されたものの、吾妻線の岩島−長野原草津口間は予定通り2014年秋に新線に切り替えられた。道路の付け替えで生まれ た数々の俯瞰アングルは、4年ほどで幻となったわけである。そして今年の3月改正では高崎の115系にも大きな変化があった。4連のスジに211系が進出して115系と共 通運用となり、湘南色の牙城がついに崩れ始めたのである。 ということは、併せて上越・信越・両毛も大激変。近場ゆえにあまり本気で撮っていなかった北関東エリア の国鉄型の砦にも、いよいよ陥落の日が見えてきたようだ。



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