Memorial GALLERY


     2016.01.22

2006.01.22 音威子府駅
 NikonF4s AFNikkor300oF4ED RVP100

10年前の今日は宗谷本線にいた。センター試験の翌週末に代休をつなげて単身渡道。連日ブリザードの荒れ狂う40号を往復したが、視界不良で全く成果は上がらなかった。 こんなときは、ハズレのない夜間バルブに賭けるしかない。毎晩のように音威子府駅で寝袋にくるまりながら、極寒の夜遊びに夢中になった。

駅舎こそバスターミナルと併設の瀟洒な建物になったが、 構内は国鉄時代の雰囲気を残していて撮り方も色々。 このシーズンは停止位置がかなり稚内方に寄っていたので、 跨線橋から300oで詰める構図をとってみた。掻き上げた雪で厚化粧したラッセルヘッドが、 ホームの屋根のオレンジ照明、遠方の水銀灯、それにキャブから漏れる琥珀色 の室内灯と様々なミックス光に照らされて、漆黒の闇を背に浮かび上がる。まだまだ機材がデジタル化していなかった当時、一発で適正露出などわかるわけもない。 目安 程度のTTL値と長年の勘でアタリを付けて、段階露出で何カットもシャッターを切る。手応えはわからないが、たくさん撮って極まればラッキーという世界であった。

日中撮影がダメだった時の駆け込み寺として重宝していた音威子府バルブも、数年前から構内の照明が落とされるようになって絵的な魅力がすっかり失われてしまった。た だでさえ天候に積雪量、木々の氷結具合、補助灯の点灯にウィングの開閉、フランジャーの上げ下ろしと激X条件へのハードルが高いラッセル撮影で、唯一ともいえる安パ イがなくなり、宗谷ツアーはますますハイリスクになってきた。 だが、虎穴に入らずんば虎子を得ず。ENR投入の噂も出て来た北辺の地に、あと何度足を運ぶことになる のだろう。



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