Memorial GALLERY


 2016.01.08

2000.01.08 三瀬谷−滝原 MamiyaM645 1000s SEKOR70oF2.8 RVP(+1)

かつて1月の被写体といえば、各地からジョイフルトレインや12系、14系(座)でやって来る初詣臨が一番の目玉だった。関東では成田臨に高尾臨、関西では伊勢臨や大社臨などが それに当たる。お気に入りのカマと客車の組み合わせを追い掛けて、天気を勘案しながら東奔西走したものであった。だが、冬型になると関東平野がバリ晴れ安定でXカットの量 産地帯になったのに対し、関西エリアは山陰の雲が流れる伯備線は言うに及ばず、太平洋側で晴れ間が広がりそうな紀勢・参宮線でさえも寒気雲に邪魔されることが多かった。多 気の櫛田川鉄橋俯瞰には幾度も通ったが、ついに客車列車では満足なカットを撮ることはできなかった。

この日は新宮まで“ワカ座”が入るとのことで、さささ氏たち先輩方と出撃。午後の下りの撮影地として浮かんだのが、ここ三瀬谷の鉄橋であった。現在のように線路を跨ぐ道路 もなかった当時は、橋の袂ギリギリから標準で狙うのがスタンダードな撮り方。私も雄大なアンダートラスを入れてマミヤ70oを構えた。定時、トロピカルカラーの客車を引いて 現れた朱いDDは、深い谷に轟音を響かせながらファインダーに飛び込んで来た。

まだまだ紀勢線のワカ座などありふれた被写体だったあの頃、この場所で撮影していたのは我々のグループだけだった。翻って被写体の減少に誰もが頭を悩ます昨今、目ぼしい列 車を撮るにはどこへいっても大パニック。のんびり好きなように三脚を立てられた時代が懐かしい。



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