Memorial GALLERY


 2015.12.12

2002.12.12 鳥沢−猿橋 NikonF4s AFNikkor80-200oF2.8 KR

社会人1年目の晩秋は、中央東線に通い詰めていた。狙いは、引退間近の183系定期「あずさ号」。目つきの悪い昆虫顔のステンレス特急車E257系に主役の座を完全に奪われる前 に、上高地をイメージさせる伝統の絵マークと国鉄型スタンダードの顔の組み合わせを切り取っておきたかった。それに加えて、貨物ではまだまだ原色のロクヨンが重連で貨物の 先頭に立ち、普通電車は山スカ115系が大半を占めていた。 手軽な距離と美しい紅葉も相まって、休みの度に実家の車で中央道を往復したものだった。

この日は、夕方に初狩からの工臨が上るという情報をキャッチしていた。冬枯れ模様で煮ても焼いても食えない勝沼ぶどう郷での撮影を昼過ぎで早々に切り上げて、鳥沢の鉄橋で 工臨を待つことにする。が、ETCも付いていない実家カーゆえ高速代をケチろうと20号線をチンタラ走っていたら、甲府市内で渋滞、笹子峠で低速車に進路を塞がれる…と予想 外の障害が続出。所定の立ち位置には通過わずか数分前に滑り込むことになった。もはや67を据えてマグニファイヤーでピントを合わせて…とやっている暇はない!80−200o を付けたF4を引っ張り出して、ズームとAFでチャチャッとセット。間もなく、絶妙な斜光にフィルターを輝かせて、原色ロクヨンの牽く工臨が鉄橋に現れた。

頭ではわかってはいるけれど、時の流れは残酷である。この次の改正で「あずさ」は新型に置き換えらた。貨物の牽引もロクヨン1000番台にバトンタッチし、それも数年でEH 200に道を譲った。そして昨年のちょうど今頃、豊田の115系も姿を消し、つい先日最後の山スカ長野のC1編成までもが引退することになった。ところが、意外や意外、いまだし ぶとく残っているのが、原色の189系という奇跡(笑)。近々、最近熱いと噂の「富士山快速」でも狙いに行きたいなぁと思う今日この頃である。



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