Memorial GALLERY


     2015.06.05

2004.06.05 会津坂下駅
 NikonF4s AFNikkor300oF4ED RVP100

ローカル線の拠点駅というのは実に風情がある。拠点駅のあるような“町”には、役場があり、病院があり、学校がある。朝は通勤通学客がせわしく降り立ち、日中は買い物 や病院通いの人たちがまばらに改札を抜けてゆく。そして、夕方には下校する制服姿の高校生が楽しそうに笑いながら帰りの列車に乗り込んでゆく。1日の中でも時間帯毎の 表情がありファインダーを通して眺めると、何気ない日常の風景もどこかドラマ性を秘めたように見えてくる。

11年前のこの日は、只見線にC11を撮りに来ていた。往路は完全トップライトのうえ煙はスカ…。完敗に終わったが、復路は当時流行りはじめた1橋見上げアングルでXを頂 戴することができた。それでも6月の日はまだ高い。何か撮れるのではないかと思い立って訪れたのが会津坂下の駅だった。狙いはキハのタブレット交換。 線路を跨ぐ歩道橋 から長目のタマで切り取るのはどうだろう。

いざ構えようと歩道橋に上がって驚いた。 土曜というのに部活帰りの高校生で狭いホームは溢れんばかりに埋め尽くされていたのである。そこへゆっくりとキハ40が滑り込む。 ドアが開くと車内に吸い込まれてゆく生徒たち。駅舎から構内踏切を渡って走って来た助役が、ここまでの通標を受け取り、次の通標を運転士に手渡した。車両の色こそ異なれ ど、国鉄時代から延々繰り返されてきた、いつも通りの鉄道情景。何の変哲もないようだけれど、こういうシーンほど後で見返すと絵になるなぁ…11年経ってポジファイルを繰 り、あらためてそう実感した。



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