Memorial GALLERY


 2015.05.23

1999.05.23 加太−中在家(信) MamiyaM6451000S SEKOR150oF3.5N RVP(+1)

私の加太デビューは若葉の美しい季節だった。今から16年前の今日、名古屋の12系改造お座敷車、通称“ナコ座”が関西本線経由で来阪するというので、コサカミ氏らと出撃。 当日はモヤッとしながらもまずまずの晴れに恵まれた。当時としてもナコ座の加太越えは割とレアだったようで、立ち位置の狭いインカーブ側の丘の上は早朝から重装備の猛者 たちで大激戦。どうにかやや上段に陣取ってハスキーを立てる。雑誌で幾度も眺めた見本写真と睨めっこしながら編成長を読み、マミヤ150oでアングルを決めた。

8時半を回った頃、遠くからエンジンの音が響いてきた。周囲の鉄ちゃんたちのバカ話がピタリと止む。あちこちでカリカリと67のフィルムを巻き上げる音。徐々に高まる緊 張感の中、オレンジではなくライトグレーのDDが姿を現す。先頭はユーロカラーの1037号機のようだ。パタン、パタンと隣近所のバケペンが次々とミラーアップ。カマの唸り が絶頂に達したところで重いシャッター音がほぼ同時に響く。「よっしゃー!」ここ以外全く人気のない甲賀の山里に、漢たちの雄叫びだけが響いたのであった。

この十数年で全国からジョイトレが消え、カマが消え、バケペンが消えた。こんな一発勝負の団臨撮影ももはや過去の物語。ファインダーを外す構図確認や直前巻き上げの習慣 も、バッテリーをケチりながらのミラーアップの儀式もほとんどお目にかからなくなってしまった。デジにズームのお手軽撮影で粋がる最近のワカモノには、もはや完全な異世 界なんだろうなぁ…。なんていう私は、もうすぐ3●歳の誕生日。そりゃあ年もとりますわな(苦笑)。



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