Memorial GALLERY


 2014.12.18

2005.12.18 吹上駅 NikonF4s AFNikkor80-200oF2.8 RVP100

「今年のクリトレはロクイチが牽くらしい」こんな話を聞いて思わずドキドキしてしまった。走行区間は高崎線の宮原−高崎。さして撮りたいアングルはないし、挙動の 怪しいネタ鉄が集まることを考えるとそれほど食指の動くイベントではないはずだったが、ロクイチ様降臨ときちゃあ、ねぇ…。 とはいえ、猫も杓子も大集合のオカポン の雑踏に飛び込むのも躊躇してしまう。結局朝は惰眠を貪ってしまい、日中の青空を見上げてやっぱり後悔。いや、今からでも遅くない、狙うなら復路だ!バルブで狙え ば、大窓から漏れる琥珀色の室内灯が映えるカットが押さえられるに違いない。

停車時間を見るに、一番撮れる可能性が高いのが25分停の吹上だった。だが、それは同時に一番人が集まるのも吹上ということである。さらに、バカ停では車内の乗客ま でもが撮影のために降りてきて混雑に拍車がかかることも間違いない。でもま、ホームはそこそこ広いし、早めの場所取りとハスキー4段、それにズームがあれば何とか なるでしょ!気楽な気持ちで夕刻上野発の下り電車に乗り込んだ。

寒風吹きすさぶ薄暮のホーム端には早くも人が集まり始めていた。足場にできるよう銀箱持参できたので、三脚林の後列にハイアングルでハスキーをセット。すっかり日 も暮れた頃、入線案内の放送が流れると、遠方からオレンジ色の一灯ライトが近づいてきた。やんごとなきブドウ色の車体は堂々8両の寝台車を従えて静々と2番線に滑 り込み、ピタリとファインダーに収まる。辺りは瞬時にしてカオスと化した。前列の集団からはさして意味もないと思われる怒声・罵声が飛び交う。あぁ〜やだやだ。思 わず苦笑。一歩引いた位置からそんな喧騒を見下ろしつつ、私は闇に漏れるキャブの光をうっとり眺めながらシャッターを切った。



Memorial GALLERYへ