Memorial GALLERY


 2014.09.11

2004.09.11 堺田−赤倉温泉 OLYMPUS OM-1 ZUIKO85oF2 KR

10年前の9月は、陸羽東線でD51が走った。まだ雑誌でしか知らなかった1990年の「SL陸東号」以来のデゴイチの登板、しかも従える客車は高崎の旧型客車。 営業運転前週の週末からは試運転があるとの情報も入る。看板付きの“いかにも…”なSL列車には食指の動かない私だが、風光明眉な非電化ローカル線で旧客 牽引、それに試運転で無装飾ときたら飛びつかないわけがない。早速当時の愛車、AZ−ワゴンのゴン太君に鞭を入れて、深夜の東北道を駆け上がった。

陸東の撮影地といえば鳴子峡のトンネル飛び出しとこけし館のS字俯瞰くらいしか知らないため、今回は全てが手探りの撮影行。少しでも早めに現地入りして沿 線を流してみるしか術はない。が、案ずるより行くが易しというやつで、実際見て回ると意外に撮れそうなポイントが多い。蒸機ということで煙の出具合も勘案 して、峠のサミットに当たる堺田付近のオーバークロスに落ち着いた。機材はメインの67に加え、久々にコダクロームを詰めたOMをサブに据える。せっかく 飾り気ない普段着の蒸機が撮れるのである。こちらの装備も昔っぽい方が雰囲気が出るではないか(笑)。

やがて遠くに汽笛が聞こえ、リズミカルなブラスト音が響いてきた。さて、どれだけ派手な爆煙でやって来るのだろう?もうその音だけで期待はパンパンに膨ら む。67は思わずタテ位置に。ところが!勇壮なドラフト音とは裏腹に、ファインダーに現れたD51は煙突から湯気のようなチョロ煙を僅かに吐き出すばかり。 何だとおぉ…後にはそれ以外は最高条件の、でも上部がスカスカな“黒いDL”のカットが残された。これだから蒸機は難しい。



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