Memorial GALLERY
2014.07.12
2001.07.12 海土有木−上総村上 MamiyaM645SUPER SEKOR A150oF2.8 RVP(+1)
就職活動中の女子大生を描いた東京ガスのCMが打ち切りとなって、ちょっとした話題になっている。何社も受けては門前払い。やっと最終面接まで残っても、待ち受ける 非情な「お祈り」メール…。今から十数年前、ネットでのオープンエントリーが一般化し始めて間もなく、まだ大学もそれほど手厚い就職支援などもしていなかった頃に超 氷河期の中リクルートスーツで街を彷徨った世代としては他人事とは思えないストーリーである。しかも、当時の私は京都で一人暮らし中。ガスでシチューを温めてくれる 家族もおらず、不安を紛らわすには飲むか鉄するかしかなかった。手元のファイルをめくると、確かに2001年はヤケクソ気味に出撃を繰り返し、ずいぶんXなカットを撮っ たものである(笑)。
今振り返っても、就職活動にいい思い出はない。よほど特別な境遇でもない限りフツーの大学生が書くエントリーシートなんて大して変わり映えしないのは当たり前なのに 「個性がない」と書類落ち。 そりゃあいいっすよ、鉄だって本気でやってりゃ人のしてない経験の10や20はあるけれど、それを面接の場で披露した日には周囲はドン引き確 定である。さらに、上から目線で学生にどーでもいい圧迫面接なんぞをかましてくるのが、自分は苦労もせずに就職したバブル世代のオッサンだったりするからタチが悪い。 結局「国際化」なんて言葉がはやり始めた頃のこと、留学経験があったり帰国子女だったり、内田樹的にいう「文化資本力」のある人々から内定を取っていくのを梅雨空の 下羨望の眼差しで眺めながら、奨学金の支給を受けるビンボー学生の私は今日もまた面接に出掛けて行く…そんなルサンチマンに満ちた日々を送っていた。
今日の写真は、そんな就活の最中、東京での面接の合間を縫って実家の車で出撃した小湊での1枚である。受験・就活勝負事のある年の梅雨はよく晴れる(汗)。 この年も 見事なまでの空梅雨で、7月頭には早々にバリ晴れが連発。海土有木の築堤でカメラを構えると、青田の稲を揺らす乾いた風がストレス満タンの身に気持ち良かった。翻っ て今日、こんなにヤサグれていた私もまぁ何とか天職と思える職を得ることができている。辛い経験もいつか笑って語れる日が来るってことで、現在も就活中の卒業生諸君 には、ぜひ焦らず自分の道を進んで欲しいと願う次第である。
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