Memorial GALLERY


     2014.04.15

2011.04.15 山都−喜多方
 NikonF5 AF-INikkor500oF4ED RVP100

先日1冊の絵本を買った。『はしれディーゼルきかんしゃデーデ』というその本は、東日本大震災に伴う磐西の燃料輸送でのDD51の奮闘を題材にした作品で、子ども向け とはいえそのリアルな描写が我々鉄ちゃんの間でも話題になっていた。手にとってページを繰ると、計画停電や物資不足など混乱冷めやらぬ中、足繁く会津の里に通い詰め た日々がつい昨日のことのように思い起こされる。

この日は勤務先が創立記念日でお休み。すでに磐西迂回は16日までという情報を得ていたため、これが最後の出撃と覚悟して関越道を北上した。1発目は咲花にて構え、前 回曇天で涙を呑んだ川沿いのアングルを無事に頂戴する。 先頭はプロテクター付きの1027号機。ならば2発目はここしかない! 山都に先回りして鉄橋を真正面から狙うポ イントに500oをセットした。10時半前、9294レ山都発車。 間もなくカーブの影から姿を現した2両のDDは、山間に轟音を響かせながらファインダーに飛び込んできた。

あれから3年の歳月が流れた。 被災地の報道が連日ニュースを賑わすことはなくなり、三陸鉄道の営業再開など明るい話題も届くようになった。とはいえ、福島の原発事故 は未だ収拾の目途すら立たず、行き場のない汚染水のタンクが数を増やし続けている。発電所周辺の人々は未だ故郷に帰れる見込みもない。それなのに汚染水はUnder Control されていると世界にアピールされ、原発は重要なベースロード電源と位置付けられて再稼働が進められ、その技術は新興国に売り込まれるという。 この国は、あの震災から一 体何を学んだのだろうか…。



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