Memorial GALLERY
2013.07.26
2003.07.26 立野−赤水
PENTAX67U smcPENTAX300oF4ED RVP100
現在は肥薩線で「SL人吉号」の牽引に当たる58654。数年前までは豊肥本線で「SLあそBOY」をエスコートしていたのを覚えておられる方も多いだろう。ゆったりと流 れる球磨川沿いの鉄路も良いが、阿蘇の外輪山に全力でアタックする立野越えは、今なおかくしゃくとブラストを刻み続ける大正生まれの老兵の雄姿を際立たせるにはこれ以 上ない格好の名舞台であった。 後に従う客車たちも、ウェスタン調という妙に凝ったコンセプトはよくわからぬが、アイランド・エクスプレス四国を彷彿とさせる展望デザイ ンと白に茶色のシックな外装が緑濃い九州の景色によく映えた。今思えば、もう少しブルトレ撮影の合間にでも足を運んでおけばよかったと悔やまれる。
手元のポジファイルを繰ってみると、一度だけ「あそBOY」を真面目に撮ったのは10年前の今日のことだった。朝方上田浦の俯瞰で「なは」を撮ってから、夕方の上り「富 士」を狙いに日豊本線に転戦。途中豊肥本線経由で立野のスイッチバックに立ち寄ったのだった。よんどころない事情で靴を喪失したため、裸足にビーチサンダルという丸腰 の足回りで草叢を進み、カーブの先に三脚を立てる。レンズは当時所有していた67レンズで最長の300o。ややスカるがまぁ仕方ない。
炎天下で待つことしばし、立野発車の汽笛が山間にこだますと、空気を揺るがすハチロクの鼓動が聞こえ始めた。現役最古の機関車とは思えぬ躍動感溢れるサウンドは、耳に するだけで胸が高鳴る。間もなく、ファインダーに主役が登場。吹き上がる煙で、スカると思ったアングルは見事に埋められた。
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