Memorial GALLERY
2012.12.31
2000.12.31 大阪駅 NikonF4s AFNikkor80-200oF2.8 PKR
毎年のように年賀状が鉄ネタなので来年が何年なのか全く意識していなかったが、早いもので20世紀が終わってもう干支が一回りしてしまう。 思い返せばこの10年余り、「撮るものが無くなった」を口癖にしながら、それでも各地を必死で巡ってきた。ゴハチも国鉄型気動車もブルトレ も、少なくなったとはいえあちこちで最後の輝きを放っていた。しかし、ロクイチが本線から退き、あれだけの勢力を誇ったキハ58系列もJR 線上から姿を消し、夜行列車は廃止が相次いで正統派ブルトレは「北斗星」「あけぼの」を残すだけとなった。
今回のネタは、まだまだ名優たちが前線に立っていた世紀末の大晦日、ミレニアムに相応しい豪華な陣容で運転された2000〜01年の初詣列車で ある。伊勢神宮へは京都のキハ58・28が、そして出雲大社へはDD重連の14系+マイテ49が仕立てられた。ただ、運転は夜行スジで早朝現地着 のため、この時期では走行写真は無理。 というわけで、関西エリアでバルブ撮影に挑むことになった。
この日、まだ日も沈まぬうちから大阪駅11番ホームは異様な空気に包まれていた。カマ次位にマイテが付く回送を押さえるべく、ホーム端には 黒山の人だかり。我々も早くからの陣取りが功を奏して、ややローアングルながら中望遠できれいに編成が抜けるポジションを確保した。パニ ックの中では臨機応変の微調整が必要になると踏んで、35判の望遠ズームでスタンバイ。16時過ぎ、神戸方から2灯のライトが近付いてきた。 千両役者が静々と舞台入りし、ホームに据え付けられる。2台のDDのアイドリング音とスハネフの発電用エンジン音の共演が我々の心をくす ぐる。喧騒に包まれる中、20世紀の最後を飾る名優の姿を、私はしかとコダクロームに焼き付けた。
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