Memorial GALLERY


 2012.08.23

2000.08.23 坂祝−鵜沼 MamiyaM645SUPER SEKOR210oF4N E100VS

5年前の3月まで、高山本線の岐阜口には坂祝行きのセメント貨物が運転されていた。稲沢区の DD51が数両のタキを牽く牧歌的な風景。名所飛水峡や金山ダムなどの 絶景アングルには恵まれないものの、アクセスの良さと被写体の魅力から、京都に住んでいた頃は何度か撮影に出掛けたものだった。といっても、まともなアングルはこ の1箇所、終点近くの坂祝オーバークロスのみ。 毎度同じ写真になるが、前年秋に撮ったときには面陰りの光線だったため、夏なら完全順光になるだろうと踏んでいた。

原付ツアーで白砂青松の山陰を堪能したこの夏ももう終盤。大学の休みはまだ1ヵ月ほどあるが、18きっぷの使用期間はあと僅かである。二条駅を始発で出発し、京都か ら上り新快速に乗り継いで岐阜を目指す。高山本線のキハ11に乗り換えて30分ほどで坂祝着。駅から徒歩数分で件のオーバークロスである。マミヤ210oで構えて待つこ と1時間余り、トンネルに2灯のライトが光ると、深緑に包まれた築堤に色褪せてローピンと化したデーデーがゆっくりと現れた。

こいつを撮ってからはや干支も一回り。気付けばDDが先頭に立つ貨物は全国を見渡しても風前の灯となっている。原色にこだわってしまうと、イチかバチかの運任せで 乗り込むしかない常紋か紀勢、土休ウヤで撮りづらい岡見貨物と、厄介な列車ばかり。冷静に考えるほどに、国鉄型ディーゼル機の終焉を切実に感じさせられる今日この 頃である。



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