Memorial GALLERY


 2011.12.20

2005.12.20 黒姫−妙高高原 NikonF4s AFNikkor80-200oF2.8 RVP100

例年12月末になると強い寒気が日本列島を覆う。これを俗に“クリスマス寒波”というらしい。「そらークリスマスゆうたら毎年寒いに決まっとるやろ!い っつも寒波ビュービューやで!!」 という鉄に青春を賭け過ぎた諸兄のつぶやきも聞こえてきそうだが(笑)、6年前の冬はいつも以上に冬将軍の威力が凄ま じかった。 12月下旬には日本海側は連日の大雪で、早くもクリスマス前に信越山線で1発目の特雪が計画された。平日とはいえ冬期講習前の変則日程により 当日はピンポイントの休み! 前夜の忘年会を早めに切り上げ、ひと眠りしてから未明に家を出た。

初めてのDD53撮影に胸が躍る。だが、事前に簡単なスジは入手したものの、信越線は完全なアウェーの地であった。普通の撮影地もよくわからないのに、特 雪向けのアングルなどわかろうはずがない。しかも天気は猛吹雪。僅か100m先ですら白魔に霞む。ナビで確認しながら丹念に踏切をチェックして回るが、どう にもイマイチ。結局鉄カーが終結していた関山−妙高高原で雪壁の上から1カット押さえるのが精一杯だった。

しかし、妙高高原を過ぎるとやや天候が安定してきた。とても日が差すような雰囲気ではないが、見通しはだいぶ効く。ならば行き掛けに目星をつけておいた 信越大橋に行ってみよう。バカ停をはさむ分、時間に余裕はあるはずだ。 歩道から長野方を見下ろすと、線路の両側の防雪林は見事なクリスマスツリーになっ ていた。こちら側だと後追いになるが、滅多にお目にかかれぬ幻のマンモス機、後ろ姿もいとをかしである。ゆっくり構図を練る間もなく、デーデーが眼下 に現れた。大丈夫、列車の速度は極端に遅い。アングルを決め、水平を出し、露出を確認。特雪特有のキャタピラ音を響かせながら去ってゆく機関車を、ファ インダーを通してゆっくりと見送った。



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