Memorial GALLERY


    2010.07.09

2000.07.09 赤石−北野畑
 MamiyaM645SUPER SEKOR210oF4N E100VS

梅雨も後半に近づく七夕の前後は、年によってひょっこり突然の晴れに恵まれることもある。2000年のこの日は久しぶりの好天予報。意気揚々と谷汲線に乗り込んだ。 猫の額のような小さな田んぼに青々と伸びる稲、山を覆うモスグリーンの木々。これまで春・秋中心の訪問ばかりだった私には、夏色の根尾谷がとてとも新鮮に見えた ものだった。

しかし、いつもの撮影地を一通り回ると物足りなさを感じてきた。あまりにもあちこちが緑だけに包まれていて変化が少ないのである。通い始めて日が浅く秘蔵の俯瞰 ポイントなどは知らないし、春先のように水鏡ができるわけでもなければ、秋口のように首を垂れる稲穂にピントを合わせるわけにもいかない。ちょっとひねりづらい なぁ…。 赤石駅前の雑貨屋でお菓子を買い求め、木陰で一息つきながら計を巡らせる。

あ…!ふと目の前の河原に人影が動いているのが見えた。これだ!折しもこの時期はアユ解禁の直後。根尾川のほとりでは太公望がめいめい釣り糸を垂れているではな いか。そういえば、昔読んだ宮脇俊三の『終着駅へ行ってきます』でも川沿いに簗場を見つける件があったけ。よし、この手で行こう。赤石大橋の袂からマミヤの210o で渓流を入れてアングルをセット。青と緑の原色の世界に、深紅の古武士が吊り掛け音も高らかに姿を現した。



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