Memorial GALLERY


   2010.04.10

2004.04.10 里見駅
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新たな1年は桜の開花で始まる。4月、教育業界に従事する私には、センター試験間近の正月よりも卒業生を送り出し新入生を迎えるこの時期の方が、1年の区切りとして 体に染み込んでしまっているようだ。カーラジオをつければ、スピーカーからは毎年のように流行りの“桜ソング”が流れ、青空の下機材を詰め込んで出撃した我々の気分 を盛り上げる。

この年の定番は、前年国民的大ブームを巻き起こした森山直太朗の「さくら」。どの局を回しても、♪さくら さくら 今咲き誇る〜…。関東じゃ卒業に満開はちと間に合 わねぇないんじゃねぇかなぁ…なんて野暮なことを思いながらも、ついつい巣立っていった教え子の顔が浮かび、少々目頭が熱くなるのも職業柄ってやつである。そんな感傷 に浸りつつ、今日は近場の小湊詣で。当時は昨今のように俄か鉄から非鉄カメラ爺さんまでもが大挙して押し寄せるようなこともなく、春爛漫の沿線は至って平和であっ た。この日も快晴の土曜というのに人出は少なく、ペンタ90で里見の入線を撮ることができた。

翻って2010年、沿線に菜の花が植えられたり、桜のライトアップが行われたりといった小湊鐡道自体の努力により、訪問客は以前よりも格段に増えた。飯給のバルブなどは 駅前の駐車スペースに車がひしめき合って、まるでひと昔前の団臨状態。ずいぶん賑やかになったと同時に、撮りづらくもなった。それでもこの季節、私は今年もしつこく 小湊参りを続けている。だって、宇宙人ジョーンズも言っているではないか、「この惑星には、“しぶとさ”という美学もある」と。



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