Memorial GALLERY


 2010.03.27

2005.03.27 大橋−川中子 NikonF4s AFNikkor20-35oF2.8 RVP100

春は別れの季節でもある。過去、3月末日をもっていくつものローカル私鉄が姿を消してきた。我々が消えゆくものばかりを追い掛けているのか、それとも我々が追い掛け ているものほど早く消えいってしまうのか。どっちが正しいのかはわからないが、手元のポジファイルを紐解くと、被写体の多くが既に現存しないことにただ驚くばかりで ある。茨城県唯一の電化私鉄だった日立電鉄も、そんな中の一つであった。

2005年は近年稀に見る廃線ラッシュだった。3月一杯で日立電鉄の他に名鉄600X区間全線、のと鉄道の穴水−蛸島間も廃止。とても全ては撮り切れない。愛着のあった名鉄 は岐阜市内線と美濃町線を駆け込みで撮影し、最終日にも出撃する予定を入れた。のと鉄道は時間的距離的にギブアップ。日立は近いから、天気を見て突発日帰りで片付けら れるだろう。この日は朝からスカっ晴れ。夕方から菊名の校舎で卒業パーティがあるため時間は限られるが、半日あればそれなりに撮れるはずと常磐道を一路駆け上がった。 予習しておいたアングル数カ所を押さえ、最後は川中子の“渡らない鉄橋”へ。ほとんどの鉄は普通に中望遠で構えていたが、ふと見ると立ち位置の側に満開の梅の花。これ だ!広角ズーム24o 相当で思い切って青空をドカン。白い花弁をあしらって、新塗色を纏った旧銀座線車両を切り取った。

月日が経つのは早いもので、日立電鉄が消えてから間もなく5年になろうとしている。このときに送り出した卒業生ももう社会人。かぁいかったお嬢たちも、あと数年もすれ ば人によってはお嫁に行く頃か。諸君、頼むから私より先に幸せにならないように(笑)。



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