Memorial GALLERY


     2009.11.26

1995.11.26 竹沢−折原
 OLYMPUS OM-1 TOKINA70-210oF4-5.6 RDU(+1)

今を遡ること14年、当時の私は高校2年生、ちょうど現在学校で担当している生徒くらいの年頃だった。ボチボチ文化祭も終わったしマジメに受験生しないとなぁ…など と漠然と思いつつも未だ火が治まらないダメ高校生は、この日後輩たちを引き連れてホリデーパス片手に八高線にやって来た。狙いは置き換えが発表されたタラコ色のキ ハ30、それに時刻はわからないが貨物も撮れれば…といったところ。幸い天気に恵まれ、意気揚々と定番タケオリに三脚を据えた。

しかし、悲しいまでに機材がなかった高校時代。カメラはOM−1と悪くなかったがレンズが悲惨で、標準1本と75-150oしか持っていなかった。仕方なく写真部の連中か らトキナーの70−210oF4-5.6というこれまた怪しげなレンズを借り出して実戦に投入していた。三脚も親戚から貰った錆だらけのスリック・グランドマスター。とにかく レンズは暗くてピンが拾いづらく、ゲバは軽くてアングルが安定しない。あたふたしている間に、せっかくのDD重連貨物を撮り逃してしまった(泣)。

それでも武蔵野の雑木林は鮮やかに色付いて、雲一つない澄んだ青空とのコントラストが素晴らしい!そこをこれまた鮮やかなタラコ色の気動車が駆け抜ける。拙い腕なが ら最高のコンディションのお陰で、余命わずかなキハ30をそれなりに頂戴することができた。そして夕刻、次第に影が伸びてきて間もなくアングルも陰ろうかという頃に踏 切が鳴った。よし、今日のラストカット。縦位置で構えたファインダーに前面強化の厳つい顔が飛び込んでくる。低い斜光線に陰影を刻まれた古武士は、軽やかなジョイン ト音を残して目の前を駆け抜けて行った。



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