Memorial GALLERY


 2008.09.13

1998.09.13 長谷−生野 OLYMPUS OM-1 ZUIKO180oF2.8 RVP(+1)

関西に移住して間もなく、京都総合のキハ181が塗色変更を受けるらしいという話を聞いた。リミットはこの秋。これはうかうかしていられ ない。夏の久大ツアーから帰った後、次なるターゲットを「はまかぜ」に絞った。場所は播但線のハイライト長谷−生野の生野峠。折りし も大学の先輩が川沿いのSカーブを行く驚愕の俯瞰を発表されていた。脳内のXアングルをフィルムに焼き付けるべく、夏休みの後半は18 きっぷで幾度も播磨路を目指した。

狙いのアングルは、長い駅間のほぼ中間地点。しかも筏のような仮設の橋で川を渡り、対岸の急斜面の伐採地に直登するというハードな場 所だった。初めて訪れたときにはビックリ!それでも若さと情熱というのは大したもので、カメラ2台・三脚2本を持って駅から往復10qを 歩き通し、四つん這いで斜面を這い上がった。だが、陰陽の境界に当たる播但非電化区間は、神戸海洋気象台の予報をあざ笑うかのように よく曇る。初回の挑戦は見事に曇天に散った。

この日は数日前からパンパンの晴れ予報。8時半の「はまかぜ2号」から勝負しようと決意して、ガラの悪い兄ちゃんの影に怯えながら姫 路駅前で素マルヨを敢行した。翌日、見事な秋晴れの下午前の列車を撮影。午後から懸案の俯瞰に登った。澄み渡る青空に足取りも軽い。 獣のように山に取り付き、いつもの場所に三脚を据えた。15時半頃、今日の本命「はまかぜ4号」が登場。増結5連のキハ181は、川沿いに 独特のターボサウンドを響かせて軽やかに眼下を走り去って行った。数ヶ月の後、「はまかぜ」は大半が無惨なアーバンカラーに塗り変え られた。生野の道に国鉄特急が甦るという夢は、もはや我々の空しい願いに過ぎないのだろうか…。



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