Memorial GALLERY


 2008.02.23

2000.02.23 恵比島−峠下 NikonF4s AFNikkor80-200oF2.8 KR

学生時代、2月は決まって北海道に渡り、一面銀世界の常紋にDD重連貨物を追っていた。この年は建国記念日の連休明けにフェリーで小 樽入りし、1週間ほど常紋峠に潜伏した。その後は旭川に引き上げ、留萌本線へ。ちょうど朝の連ドラ「すずらん」の映画化が進められて おり、2月20日から4日間、恵比島−峠下付近で再度ロケ列車が走るという情報が上がっていた。雪景色の中を行く無装飾C11+旧客に期 待しての転戦だった。

前日に比べて視界が利く今日は、恵比島峠へのアプローチを丘の上から見下ろしてみた。丘の上はひたすら鉄・鉄・鉄…の大盛況。関東近辺 の団臨ネタのような様相である。レンズはズームを目一杯伸ばして200o。横位置でS字の線路を入れてアングル決定。やがて、静かな山間 に恵比島発車の汽笛が響き渡った。周囲に緊張が走る。と、チラホラと舞い始めた雪が猛烈な吹雪に変わった。見る見る視界はホワイトア ウト!視認不良の中、遠方にヘッドライトが光った。小さなC11の車体からは想像もつかないほどの爆煙が強風に煽られて空にのたうち回 っている。写ってくれ!ただそう念じながら無我夢中でモードラを回し続けた。

現像が上がってみると、結果は想像以上だった。KRの発色にもよるのだろうが、全体に青みがかった画面に1灯のヘッドライト。200oで は間延びするかと思った構図も舞い上がる煙で埋め尽くされていた。ルーペを覗けば今もあの酷寒の峠での撮影が鮮明に脳裏に甦ってくる。 「C62ニセコ」以来、久々に生きた蒸機を撮った気がした。



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