Memorial GALLERY
2007.11.23
2003.11.23 上田浦−肥後田浦 NikonF4s AFNikkor80-200oF2.8 RVP100
鹿児島本線南部、肥後田浦〜肥後二見にかけては、単線の線路が不知火海の海岸線を忠実にトレースしながら走る。新幹線の開通を来春に 控え、カウントダウンに入っていた「なは」を狙いに行っていた我々は、日中を76貨物や肥薩線の「くまがわ」の撮影に費やし、夕方再び 海辺に戻ってきた。幸い今日は年に幾度もないほどのドバリ晴れ。沈み行く夕日を中心に、西の空は燃えるような茜に染まっていた。
岩場の上にたつ祠の脇で三脚を広げた。ファインダーは金色から紅へと刻々とその色を変えていく。475系の3連を撮影し、次のターゲット は10分後の「つばめ17号」。露出を半段開け、ズームを200oまでシフトして列車を待つ。やがて波音に乗ってジョイント音が響いてきた。 シルエットになった半島部分にメタリックボディが浮かび上がる。最後尾がギラリと輝いた瞬間を狙い済ましてレリーズ!17時のチャイム の音をBGMに、特急「つばめ」は南国を目指して飛び去っていった。
あれから4年の月日が経つ。新幹線開業に伴って「肥薩おれんじ鉄道」へと転換した海沿い区間は、現在写欲をそそらぬ単行の新型DCが 走るのみ。なかなか天候に恵まれず「なは」を仕留めるのに苦労した上田浦の直線俯瞰、この日最高条件で「なは」を見送った前田の丘、 秋の低い光線で76貨物を極めることができた肥後二見のSカーブ、そして名所中の名所西方の東シナ海バック…。全ては過去の情景となっ てしまった。
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