Memorial GALLERY


    2007.10.09

1998.10.09 水内−安野
 MamiyaM645 1000s SEKOR70oF2.8 RVP(+1)

「廃止の噂が上がっている可部線で日中マヤ検が走る!」第一報は9月下旬に入った。運転は10月9日。翌10日は一畑電鉄でデハ1型のさ よなら運転があるので、掛け持ちにはもってこいのネタである。当時学生だった私とコサカミ氏は、前日の講義を自主休講して京都駅で合 流し、「鉄道の日記念乗り放題きっぷ」片手に西を目指した。

広島から最終列車でいざ可部線へ。未踏の路線で撮影地がわからないため、闇に包まれた沿線を車内から吟味する。太田川に沿って走る線 形から鉄橋アングルに照準を定め、橋を渡る度に両サイドの窓を全開にし、手分けして周囲の状況確認。「立ち位置よーし!」「背景よー し!」「ケーブルはないか!?」…アヤシイ2人の乗客の声だけが人気のない車内にこだました。その夜は加計で駅マルヨ。が、夜半過ぎ、 ガサガサという音で目が覚めた。まさかこの山中で泥棒か!? 焦って鞄に手をやると素早く飛び退いたのはカレーパン引っ提げたネコの影! サザエさんよろしく鬼の形相で朝飯咥えたドラネコを追い掛けるが間に合わず、コンビニ袋を引き摺った駅長氏は、月明かりに照らされて 軽やかに走り去って行った。翌日、広島に戻るまで兵糧攻めに苦しめられたのは言うまでもない。

翌朝は始発で目を付けておいた水内の鉄橋へ。天気は朝から上々の晴れ。川面に変化をつけようと河原に石を積み上げ(←画面左下に注目)、 何本か黄色のキハを撮影した。昼前のDEプッシュプルのマヤ検もX!だが、結局この後一度も彼の地を訪問すること叶わず、これが私にと って最初で最後の可部線詣でとなってしまった。



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